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twitterでちまちま書いていたtwnovelのまとめです。

真夜中の雑木林は怖いというより暗すぎた。「懐中電灯なかったら絶対木に激突するよね」「その懐中電灯切りまーす」視界は黒一色。次の瞬間後ろから抱きしめられた。「三十秒経ったら付けるから」意気地のない男だこと。「告白してOKもらってキスするのに三十秒で足りるとでも?」
 
テーブルから落ちたグラスの割れる音が始まりの合図のようだった。目を逸らすことを許されない。「壊されないって自信があるんだよね。じゃあ好きに扱うから」冷たい手が頬に触れる。それだけでヒビが入ったような気がしたけれど、気付かない振りをしたくて無理矢理目を閉じた。
 
 初めての手紙に「さようなら」と書いた。そうしたら締めに「お返事を待っています」と書かれた返信がきた。ばかだなぁ。銃がペンに、血がインクになるわけ、ないだろ。
 
卒業アルバムは捨てていた。安っぽい感傷に浸るだけだから。二人で撮りためたプライベート写真も燃やしている。あの人は写真を撮るのが好きで、全て燃やすのに骨が折れた。「思い出捨ててどうするの。それでお前の中からあいつは消えるの?」そんな分かりきったこと、聞かないでよ。
 
雨が好き。できれば風もなくただしとしとと降る雨がいい。カーテンを全開に開けて目を閉じる。暗闇の中で水滴と地面が次々に触れ合う音を聞く。それはまるでなにかのリズムをとっているようだから、いつだって歌いたくなるのです。
 
踏み切りの遮断機が落ちて、初めてあの人と距離をとった気がした。けたたましいサイレンが最後のカウントダウンのように聞こえる。「私はそっちに渡らない。貴方はこっちに戻らない」電車がめまぐるしいスピードで横切って行く。景色が元に戻った時、あの人は走っていた。
 
「あたし、あんたと結婚できたらきっと幸せだったんだろうね」泣きはらした目を隠すこともなく、彼女は帰り道を確かな歩みで進む。「あんたもあたしも何でお互いのこと好きにならなかったんだろう」その問いに俺は、彼女の頭をぐしゃぐしゃに撫でてやることでしか応えられなかった。
 
信じて待ってるなんて、口に出すより重いことなんだと、置いておかれて改めて思い知る。「帰ってきます、絶対」「言い聞かせるように言わないでいいよ」心の奥底では信じてる。それでも。「大人しく待てるわけ、ないよね」すぐ隣にあるその手を取らないほど強くはなかった。
 
高校生を誑かしてしまった。「こういうカフェ来るの初めて?」「えーと、普段マック族なもんで」食べ盛りの高校生ならそうだろう。「でもここ、いい匂いしますね。俺匂いフェチみたいで」「その歳でよく目覚めたわね」「だから俺、貴方の匂いに惚れちゃったのが始まりなんですよね」
 
両手で押しのけた胸が激しく鼓動を打っていることに気付いていた。「俺があんたのこと、どうしようもなく好きって知ってるんですよね」「知ってる」「俺も知ってますよ。あんたが俺をめちゃくちゃ好きって」距離を作っていた腕を簡単に取られて、二人分の鼓動が混ざって溶けた。
 
指輪を貰った。書類も出した。明日、私達はたくさんの人に祝福してもらう。前夜はただ静かだった。「明日きっと泣くけど、これからなんだよね」明日を迎えるまでにも色々なことがあった。隣に居るのは彼じゃなかったかもしれない。けれど、今、私はここに居る。「あなたでよかった」
 
暗い意識の中でも、彼がわたしの指を触れていることに気が付いた。触れて、なぞって、口づけて、祈るように握る。その祈りに応えてあげたかったけど、それはもう出来なかった。真っ暗なの、きっともうすぐこの感覚さえ消える。さよなら言いたかったな。あぁもう、言葉も分からな、。
 
飯作ってる後ろ姿にまで欲情してしまうとか、俺も大抵変態だと思う。「味噌か塩味どっちがいい?」不意に振り返るものだから肩が上ずってしまった。それを不審に思われる。「何か隠してるの?」料理を中断してこちらにやってきた。まずい、今は来るな。止められなくなる。
 
片割れの兄を好きだという女を抱いた。こいつの失恋は決定している。「同じ顔に抱かれただけ満足だろ?」女はけだるそうな顔をこちらを一瞥して、すぐさま背を向けた。「冗談言わないで。目元、真顔の時の表情、仕草、全然違うじゃない。あの人に抱かれてるって妄想もできなかった」
 
こいつが俺の手を握らないと眠れなくなったのは二年前。驚くくらい静かで真っ暗な夜にこいつは夢で漆黒に落ちた。落ちた手を引っ張り上げたのは俺。「ジェットコースターみたいに胃が浮いて気持ち悪い。だから次は一緒に落ちて」引っ張り上げて欲しいんじゃなくて、道連れだと。
 
その場に立ち竦んで泣きじゃくる君の手を取って走り出す。その手は涙に濡れて冷たかった。彼女は泣きながら叫ぶ。「何でこんなことするの」聞こえない振りをした。螺旋階段を昇り、昇り、いつの間に降り、彼女が突然立ち止まる。「どこに行ったって辿り着かない、正解になんて」
 
君のことを考える度、わたしの中できらきら光るこの気持ちはなんだろう。眩しいほど輝くそれは、君を見ると時折翳って、切れかけの電灯みたいについたり消えたりする。「ねぇ、これなんだと思う?」直接聞いてみたら君は顔を真っ赤にして、わたしを思い切り抱きしめた。
 
眼鏡を奪われ、ぼやけた視界にあなたの顔が近付いてきた。怖くなって下を向いてしまう。「ずるいよ。眼鏡返して」「嫌」抵抗する腕を掴まれてしまい、頬に唇があたった。少しずつ位置がずれ、何回も。「私だって顔が見たい」唇が唇にあたった。「駄目。今、酷い顔してるから」
 
ブーツを脱ぎ捨てる余裕もなかった。なだれるようにベッドに落ちる。早く欲しい。「あ、待って、置いていかれそう」辛そうに眉間に皺を寄せ、離さないとばかり腕を背中に絡めてくる。顎を掴んで無理やり口をこじ開けさせた。舌で犯す。どちらの息か分からない。早く欲しい。早く。
 
イヤホンを一つずつ分けて、ランダム再生で音楽を聴いていた。「これ新曲?」バンドを組んでいる彼のプレーヤーには自分達の歌も入っている。「たんま、これ聴くな!」突然慌てだしたので、すかさず彼のイヤホンを奪った。"くそ、やっぱ好きだ"「好きって何が? ……誰が?」
 
ぐちゃぐちゃにしたと思ったら、どうやら夢の中での話だったらしい。目覚めたら見飽きた天井となんともいえない下半身の気持ち悪さ。「死ねばいいのに……」真冬に朝からシャワーなんて最悪だ。あんな夢みた罰だろうか。でも。(あいつのあういう顔、もっと見たい、なんて)
 
エンドロールの途中で立ち上がったから、この人とは付き合えないなと確信した。今回は仕方なく一緒に劇場を出る。後日もう一回観に行かないと。「面白かったね」「うん」そう思うなら最後まで観ればいいのに。こういう小さなすれ違いで人は壊れてしまうこと、私はもう知っている。
 
「振られた。飽きたって」飯食いっぱぐれたと同じ調子で言うから、さして重大事項には聞こえなかった。「ふぅん。で、あんたはそれを信じたわけ?」実際重大事項ではないんだろうなぁと思案する。「まさか。あー、腹減ったな。昼飯食いっぱぐれた」ほら、ただの日常茶飯事じゃない。
 
彼女が毎日身に付けているアンクレットとお揃いのものを付けている同級生を見つけてしまった。これで失恋決定。「指輪じゃないところが姑息、って思う僕が姑息だよな」「そうだね。みみっちい」愚痴を聞かされている幼なじみは適当に返事をした。駄目だ、ちょっと泣きたい。
 
 「これ、返す」去年あげたマフラーが戻ってきた。当時は新品の匂いがしたのに、今は彼の匂い。これは、別れるということなのか。「で、お前の寄越せ」巻いていたマフラーを取られた。「それ、俺の匂いしかしないだろ。だから交換。お前はそれで俺を、俺はこれでお前を感じるんだ」
 
指輪を通して肌身離さずつけていたネックレスをはずし、川に投げ捨てた。綺麗な川ではない、指輪はあっという間に醜い物体に成り下がるだろう。それでいいと思った。このまま持っていたって同じことだから。「……しんじゃえ」勝手に涙が流れてきた。「しんじゃえ、あたしなんか」
 
赤が嫌いなのに、私に用意された服はいつだって赤色だった。逃げたくても逃げられなくて、赤を着ることでしか自分を表せなくて。けれどある日、赤を捨てて白を着てもいいと言われた。これでここから抜け出せると思ったのに、結局私はまた赤に戻る。返り血を浴びても目立たない赤に。

(2011.09.01~10.31)

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